作成者:Syed Faraz Shamim
目次
概要
このドキュメントでは Open Shortest Path First(OSPF)に関する FAQ を取り扱っています。このドキュメントでは、OSPF バージョン 2 のみを対象にしています。IP バージョン 6 のルーティング情報の配布に使用する OSPF バージョン 3 が、Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.0(24)S、12.2(18)S、および 12.2(15)T で導入されましたが、このドキュメントではそのバージョンについて明示的に触れることはありません。このドキュメントでは、「OSPF」は OSPF バージョン 2 を指しており、「IP」は IP バージョン 4 を指しています。
Q. なぜ OSPF ではループバックが /32 ホスト ルートとしてアドバタイズされるのですか。
A. OSPF ではループバックはホスト ルートと見なされ、/32 でアドバタイズされます。詳細は、RFC 2328 のセクション 9.1 を参照してください。Cisco IOS ソフトウェア リリース 11.3T および 12.0 では、ループバックで ip ospf network point-to-point コマンドが設定されていると、OSPF によりループバック サブネットが、ループバック上に設定された実際のサブネットとしてアドバタイズされます。ISDN ダイヤラ インターフェイスでは、そこで設定されているサブネット マスクではなく、/32 のサブネットがアドバタイズされます。ip ospf network point-to-multipoint が設定されている場合は、これが期待どおりの動作です。
Q. OSPF で基準帯域幅を変更するにはどのようにするのですか。
A. Cisco IOS ソフトウェア リリース 11.2 以降では、router ospf の下の ospf auto-cost reference-bandwidth コマンドを使用して基準帯域幅を変更できます。デフォルトでは、基準帯域幅は 100 Mbps です。
Q. OSPF ではメトリックやコストはどのように計算されるのですか。
A. OSPF ではコストの計算に 100 Mbps の基準帯域幅を使用します。コストは、基準帯域幅をインターフェイスの帯域幅で割ることによって求められます。たとえばイーサネットの場合は、100 Mbps/10 Mbps = 10 です。
注:インターフェイスで ip ospf cost cost を使用すると、このようにして計算されたコストは上書きされます。
Q. OSPF ルーティング プロトコル交換は認証されますか。
A. はい、OSPF ではネイバールータ間で交換されるすべてのパケットを認証できます。認証は単純パスワードまたは MD5 暗号化チェックサムによって行われます。あるエリアに単純パスワード認証を設定するには、コマンド ip ospf authentication-key を使用して、そのエリアに接続された各インターフェイスに最大 8 オクテットのパスワードを割り当てます。次に OSPF ルータ コンフィギュレーションに area x authentication コマンドを発行して認証を有効にします。(このコマンドの x はエリア番号です。)
Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.x では、認証をインターフェイスごとに有効にすることもできます。一部のインターフェイスについてのみ認証を有効にする場合や、同じエリア内の異なるインターフェイスで異なる認証方法を使用する場合は、ip ospf authentication インターフェイス モード コマンドを使用してください。
Q. リンクステート再送信間隔とは何ですか。また、それはどのコマンドで設定するのですか。
A. OSPF では、リンクステート アドバタイズメント(LSA)を 1 つ受信するたびに確認応答を送信する必要があります。これは、LSA パケットを送信することによって行われます。LSA は確認応答されるまで再送信され続けます。リンクステート再送信間隔は、この再送信の間隔時間を定義します。この再送信間隔を設定するには、コマンド ip ospf retransmit-interval を使用します。デフォルト値は 5 秒です。
Q. 変数 IP-OSPF-Transmit-Delay の目的は何ですか。
A. この変数により、指定された時間がアップデートの経過時間フィールドに追加されます。アップデートがリンクを通じて伝送される前にこの遅延が追加されない場合、リンクステート アドバタイズメント(LSA)がこのリンクを通じて伝搬する時間が考慮されません。デフォルト値は 1 秒です。非常に低速のリンクでは、このパラメータは重要です。
Q. OSPF では、非隣接ネットワークは、マスク伝搬プロパティとは無関係に仮想リンクのスタティック オプションでのみ許可されるというのは本当ですか。
A. いいえ。OSPF の仮想リンクでは非バックボーンエリアからバックボーンへの接続が保持されますが、この仮想リンクは非隣接アドレッシングには不要です。すべてのエリアにネットワークの集合があるため、 OSPF では非隣接ネットワークをサポートしています。さらに、 OSPF は各アドバタイズメントにマスクを添付します。
Q. マルチキャスト IP アドレスは MAC レベルのマルチキャスト アドレスにマップされますか。
A. OSPF では、アドバタイズメントの送信には必ずマルチキャスト アドレッシングが使用されます。トークン リングの場合を除き、マルチキャスト IP アドレスは MAC レベルのマルチキャスト アドレスにマップされます。Cisco では、トークン リングを MAC レベルのブロードキャスト アドレスにマップします。
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